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頂き物


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BL小説サイト 「Apple Squash !」 吉田来世子様
今回は「茜の雲に」の二次小説を書いて下さいました!
来世子様、いつも有難うございます!
あの二人・・・コッソリこんなことしてたんですね!!
去年の9月に頂いていたのに、こんなに遅くなってしまい申し訳ないです。
(※オカマツが描かせていただいた挿絵込みで   
吉田来世子様の作品でございます。無断転載はご遠慮ください。)* 2017/02

↓ではどうぞ!↓
−放課後−




前回キラッキラのボウズを描いてくださった夏木世様が、またまた
素敵なイラストを描いて下さいましたぁああ!今度はおっちゃんとのツーショットです!
はぁああ素敵ですねぇ。切り絵のようないい雰囲気です。ピースサインしてるボウズが可愛い♪
夏木世さん、素敵なイラストを本当にありがとうございます!!

夏木世さんのpixivはこちら→夏木世さんのpixiv
(※18禁かつ性的暴力シーンを含みます。ご注意ください)

ツイッターはこちらです→夏木世さんのツイッター                                                     *2016/08
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夏木世様に「放れ駒」のボウズことミキを描いていただきました!!
う、美しい・・・!希望に満ちたキラキラとした瞳が印象的で、まさにミキの性格が表れてます。
ううう嬉しい~~!!有難うございます!夏木世さん!
夏木世さんは、pixivで漫画を描いてらっしゃってて
オカマツは更新を楽しみにしているファンの一人です。
代表作「残香と手紙」は重いテーマを持ちながら、そこかしこに散りばめられた男の子達の
楽しいやり取りが、お話全体をふっと柔らかくしてくれます。
ニヤニヤしたり、手に汗をかいたり、楽しめるお話だと思います。
ご興味がある方は是非!
夏木世さんのpixivはこちら→夏木世さんのpixiv
(※18禁かつ性的暴力シーンを含みます。ご注意ください)
ボウズを描いていただいたお礼にお粗末ではありますが、
夏木世さんちのお子さんをオカマツも描かせていただきました。
ツイッターでご紹介いただきました!有難うございます!
ツイッターはこちらです→夏木世さんのツイッター                                                     *2016/05

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吉田来世子様からまたまたスピンオフのスピンオフ?小説を頂戴いたしました!!
以前頂いた「-Voyage-」の、オマケ漫画をオカマツが描いて、そこからのスピンオフになります。
まだの方は、「駄菓子屋中毒」来世子様作スピンオフ「-Voyage-」→オカマツ作漫画「-Voyage-その後」をご覧になってから
お読み頂けると分かりやすいかと思います。
「-Voyage-」 「-Voyage-その後」
チロッと出てきたキャラがとっても素敵なお話に・・・! 有難うございます有難うございます!
※「− Summer time −」はオカマツの挿絵込みで全て来世子さまのものですので、無断転載等はご遠慮ください。
来世子様のサイト→コチラ                              *2015/08

挿絵の進み具合のせいで、2ページに分けました・・・
− Summer time −1
 − Summer time −2




ココ様から「放れ駒」のおっちゃんとボウズのツーショットを頂きました!!
なんと!!オカマツには描けないカラーです!貴重な色つきの二人・・・ホクホクヾ(〃^∇^)ノ
ココ様、有難うございます!ちょうど今危なっかしい場面を描いてるので
ココ様の幸せそうな二人に、オカマツ自身が癒されております!
ココ様のツイッター→コチラと、pixiv→コチラ
                                                     *2015/08

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いつも有難うございます。フォロアーさんのしよう様から
素敵なクリスマスイラストを頂きました! アサヒもカイも、そしてカドヤも居る!!
全員パンイチで素敵です(笑)。しよう様有難うございました~!         
                                   *2014/12

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ツイッターのフォロアーさんkanan様が、うちのルパン三世バージョンの
おっちゃん(とっつぁん)で、なんと!!ハンコを作って下さいました。すごーいい。
kananさんはとっても器用で、ハンコ以外にもそれはもう色々作ってらっしゃるようなのですが
それにしても・・・本当、お上手なのです。
kanan様、有難うございます。kanan様のツイッターはコチラ                  *2014/11

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手書きブログでお絵描き友達(勝手に)の冬野 椿様が
うちの『駄菓子屋中毒』のアサヒと『放れ駒』のおっちゃんのツーショットを描いてくれました!!
い~~え~~ぃ!!
冬野様の描くおっちゃんの色っぽい胸元が・・・はぁはぁ。どんだけ色気あるんだ!!
冬野様、本当に有難うございます!興奮してしまいました。年甲斐もなく・・・←うふ。
冬野 椿様の手書きブログはコチラ渋かっこいいおじさまがいっぱいです♪     *2014/10

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遅くなりましたが、以前しようさんが作って下さったGIFアニメーションです!
オカマツが描いたうちの子のルパンⅢ世バージョンをカッコ良く作って下さいました。
まるで映画の予告編みたいです。
そしてそして、なんと新たに「茜の雲に」のマスターも!!すごい!ラテアートでマスターだ!!
しようさん、すごいです。お忙しいのに有難うございます!! 
しようさんのツイッター→コチラ(クリック)  *2014/10

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ちょっと自慢させて頂きます。
ツイッターのお友達(とオカマツは勝手に思い込んでいる)汀(みぎわ)様
うちの「茜の雲に」のテヨルを描いて下さいました!
超爽やか!イケメン!!頬染めてて可愛いッ!汀様、有難うございます!
汀様のpixiv→こちら(←クリック!)   汀様のtwitterID→@migiwa08 です。
(※汀様の作品ですので、転載禁止です)        *2014/10

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BL小説サイト 「Apple Squash !」 (←クリック!)の吉田来世子様が、なんと、
拙宅の『駄菓子屋中毒』のサカトクスピンオフを書いてくださいました。
『駄菓子屋中毒』でサカトクとカイの会話にチラッと出てきただけのキャラを
それはそれは素敵に膨らませて、ひとつの物語を作ってくださいました。
皆様もぜひ、ドキドキ!!して下さい。

(※オカマツが描かせていただいた挿絵込みで   
吉田来世子様の作品でございます。無断転載はご遠慮ください。)* 2014/05


↓では!どうぞ!↓
- Voyage -
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サカトクスピンオフ『- Voyage -』の二人の
その直後のお話をオカマツが漫画にしてみました。
是非、来世子様の『- Voyage -』をお読みになった後で
お進み下さい。

↓イ く?↓
- Voyage -その後
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そして、更にオマケ
↓イっちゃう?↓
- Voyage -その後のオマケ
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2028-12-23

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来世子様、いつも有難うございます!
あの二人・・・コッソリこんなことしてたんですね!!
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素敵なイラストを描いて下さいましたぁああ!今度はおっちゃんとのツーショットです!
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う、美しい・・・!希望に満ちたキラキラとした瞳が印象的で、まさにミキの性格が表れてます。
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夏木世さんは、pixivで漫画を描いてらっしゃってて
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楽しいやり取りが、お話全体をふっと柔らかくしてくれます。
ニヤニヤしたり、手に汗をかいたり、楽しめるお話だと思います。
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吉田来世子様からまたまたスピンオフのスピンオフ?小説を頂戴いたしました!!
以前頂いた「-Voyage-」の、オマケ漫画をオカマツが描いて、そこからのスピンオフになります。
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お読み頂けると分かりやすいかと思います。
「-Voyage-」 「-Voyage-その後」
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全員パンイチで素敵です(笑)。しよう様有難うございました~!         
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おっちゃん(とっつぁん)で、なんと!!ハンコを作って下さいました。すごーいい。
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ちょっと自慢させて頂きます。
ツイッターのお友達(とオカマツは勝手に思い込んでいる)汀(みぎわ)様
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超爽やか!イケメン!!頬染めてて可愛いッ!汀様、有難うございます!
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拙宅の『駄菓子屋中毒』のサカトクスピンオフを書いてくださいました。
『駄菓子屋中毒』でサカトクとカイの会話にチラッと出てきただけのキャラを
それはそれは素敵に膨らませて、ひとつの物語を作ってくださいました。
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サカトクスピンオフ『- Voyage -』の二人の
その直後のお話をオカマツが漫画にしてみました。
是非、来世子様の『- Voyage -』をお読みになった後で
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放課後 「茜の雲に」スピンオフ二次小説 来世子様より

2028-12-22
『 放課後 』 ※オカマツ様の作品『茜の雲に』の二次作品となりますのでご了承ください。


「お邪魔しまーす」 
 誰もいないのはわかっているが、とりあえず他人の家なので挨拶しながら靴を脱ぐ。
「何でもいい?」
 尋ねながらキッチンへと向かう後ろ姿に、おう、と答えて二階へと向かった。

 バイトが無い日は喫茶店で時間を潰したあと、ほとんどいつもここに寄る。と言っても特に何をするわけではなく、
その日の気分で音楽を聴いたりゲームをしたり漫画を読んだり。今日はクラスメートが回してくれたアダルトビデオ鑑賞だ。
こういう時、共働きの家は便利だ。
「麦茶とアイスあった♪」
 ソラが上機嫌で部屋に入って来て、カップアイスを手渡して来る。
「お、チョコチップ。ラッキー♪」
 さっそく蓋を開けてアイスクリームの硬い表面に銀色のスプーンを突き立てていると、ソラがガサガサと袋を開けてDVDをセットした。
すぐにダサい音楽が始まり、カメラがどこかの居間を映し出す。画面はすぐに横にスライドして、その奥にあるベッドルームへと移った。
「ぶヘッ???」
 ひときわ高くなる喘ぎ声は女にしてはかなり低く、ベッドの上で犬のように四つん這いになっている全裸の姿も、どう見ても女には見えない。
「……やられた」
 悪友のゲタゲタ笑う顔が脳裏に浮かび、『ある意味面白い』と言っていたのはこういうことかと理解した。
確かにゲイビデオなどあまり観る機会は無いし、自分で借りることも絶対に無いだろう。
というか、マニアックものを期待していただけにがっかりである。しかし、すぐに止めるかと思いきや、ソラは茫然としたように画面に見入っていた。
「……え、こういうのもアリなのか??」
 ソラの懐の深さにちょっとだけ感服していると、いや、違うけどさ、と言ってソラが数回まばたきをする。
「テヨルたちもこういうことすんのかなーって思ったら、ちょっとだけ、なんて言うか……」
 テヨルは放課後一緒に喫茶店でたむろする仲間で、実は少し前から同性の男と付き合っている。
ソラが画面に目を向けたまま、言葉を探すふうに語尾を濁らせる。
恋愛ごとに疎い2人だからセックスはまだだと思うが、どちらも思春期真っ只中なのだからエッチへの関心はあるだろう。
同じように視線を向けると、後ろから覆いかぶさっていた男が相手の股間に手を伸ばすのが見える。
相手の怒張したものを掴んでリズミカルに前後に擦りあげると、途端に喘ぎ声が嬌声に変わり、肩甲骨の浮き出た背中が艶めかしく反り返った。
「あ、気持ち良さそ……」
 ソラの呟きが聞こえ、俺も胸の内で思わず頷く。さすがは同じ男だ。感じる場所を心得ていて、竿をしごきあげる手が時折カリの辺りや先端をグリグリする手付きも絶妙である。
「……」
 ソラがいつものように無言でゴソゴソとズボンのファスナーを下して前をくつろげ始める。
確かに最初の衝撃をやり過ごすと『アッ、アッ』という喘ぎ声が低いことも気にならなくなっていたので、俺も便乗してズボンの前をくつろげた。
「ほれ」
 隣に手を伸ばすと、いつものようにソラもこちらに手を伸ばしてくる。2人きりで抜く時は、いつも互いのを掴んで抜きっこする。
同じ作業で倍気持ちイイのだからやらない手はない。さすがに他の奴とする気はないが、幼馴染ならではの気安さだった。
「あっ、あっ、あっ……」
 ガチガチに固まったそれを掴んで上下にこすってやると、すぐに堪らなそうな喘ぎ声が聞こえて来る。
男のくせに声出すなよ、と最初の頃は助言していたのだが、今は放置だ。
その方がイキやすいらしいし、最近気付いたのだが自分もソラの声が聞こえている方が気分的に盛り上がれるらしい。
「ああッ」
 男優と同じように先端をグリグリしてやると、ソラが慌てたように声をあげて俺の手首を掴む。
「ダメッ……イッちゃうッ……」
「お前は弱過ぎだよ、ソラ」
 思わず鼻で笑ってしまったが、あとでヘソを曲げられても面倒なので竿に戻る。
「そんなこと……言ったって……」
 ソラはハァハァと苦しそうに喘ぎながら切れ切れに言ったが、俺の息子を掴む手の動きが早くなり、そろそろイキたいと訴えてきた。
「先にイクか?」
 偶然にも男優のセリフと俺の言葉が重なり、ソラがコクコクと何度も頷く。
そして、四つん這いになっている男の、アーっという嬌声を合図に、ソラも細い声を漏らして手の中で弾けた。
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「……さっきの話だけどさ」
 さすがにゲイビデオを最後まで観るのはなんだったので、あとは最近買ったミュージックCDをイヤホンを片方ずつはめて一緒に聴く。
部屋に流してもいいのだが、ソラはイヤホンを好む。
イヤホンだと頭の中いっぱいに歌声や楽器の音が響いて『とべる』のだそうだ。
「うん?」
『さっき』がどの話題を指すのかわからなかったので先を促すと、ソラが一瞬沈黙してから口を開く。
「……テヨルたちのこと」
「あぁ」
 『テヨルたちもこういうことすんのかなーって思ったら、ちょっとだけ、なんて言うか……』
 ソラが語尾を濁したのを思い出し、少し考えてから水を向けた。
「キモかったか?」
 ゲイビデオのことを指して聞いたのだが、ソラは少し考えてから小首を傾げる。
「オレは女の子の方がいいけどね」
 テヨルたちがいいならいいかな、ダイスケいい子だし、という言葉に思わず笑った。
「そうか」
 ソラの恋愛対象が女の子オンリーなのは知っている。もちろん俺もだ。
だが、さっきのように2人で抜きっこすることにも抵抗は無い。
こういう関係を何というのだろうかと考えたが、『幼馴染』という言葉しか浮かばなかった。
「……さっきのDVDさ」
 少しして、ソラが再びポツリと言う。
「……本当に挿入ってるのかな」
「……」
 俺はちょっと考えて、そういえば局部は無意識的にモザイクをかけていたことに気付く。
「さてね」
 とはいえ、どちらももう一度観る気にはなれないので検証はできない。
「あの2人の場合はさ……」
 ソラが続けて言い、その言葉の先を予想して思わずブハッと噴き出す。
「無理! テヨルの喘ぎ声なんて聞きたくねーよ!」
 ゲラゲラ笑いながら言うと、えー、そうかな、とソラが異論を返した。
「まあ、ダイスケの方が似合いそうだけどね」
「似合うってなんだよ。喘ぎ声ならお前だって負けてねーじゃん」
 いつも声を出すことをからかうと、気持ちイイんだからしょーないじゃん、と言って少しだけ赤くなる。
「気持ち良くても歯ァ食いしばれよ」
 男のくせにカッコわりィだろ、と付け足すと、怒ったのかムゥと頬を膨らませた。
「そんなこと言って、コウセイだってイキ顔めっちゃエロいくせに!」
「なッ……!」
 突然の爆弾発言に思わず絶句していると、それを見たソラが鬼の首を取ったかのようにニヤリと笑う。
「オレ、コウセイのイく時の顔好きよ」
「お前なあッ」
 仕返しとばかりに飛びかかると、ベッドの上に押し倒されたままケタケタ笑う。
「犯すぞ、てめえッ」
 ちょっとだけ声音を落として凄むと、少しだけ真顔に戻って見上げてきた。
「オレはホモじゃないけど、コウセイとだったらシてみてもいいよ」
 優しくしてね、と言われて思わずゴクリと喉が鳴る。だが、その目がおかしそうに笑んでいたので、ブハッと噴き出して笑った。
「腹減ったな」
「あ、カップラーメンあったかも」
 言いながら体を起こすと、同じように飛び起きたソラが素早くベッドを降りて部屋を出て行く。
階段を軽快に駆け降りていく足音を聞きながら、腹の中に生まれた言葉にならないモヤモヤをひとりこっそりと握り潰した。



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※素敵な作品の二次を快く書かせてくださいましたオカマツ様に敬意と愛をこめてvvv (2016年9月)


↓オマケ(オカマツ)
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-Summer time-2

2015-09-06
土日の朝は早い。まだ暗いうちに起きて、薄明るくなってきた頃には作業を始めないと出荷に間に合わない。
「おい、朝やで」
「うん……」
 よほど置いて行かれたくなかったのか、声を掛けるとクシモト弟は一発で起きた。
「ほれ」
 出掛けに真新しい長靴を出してやると、驚いたように目を丸くする。
「オレのッ?」
「ほうや」
 子供用の空色の長靴は、ほっそりとした足によく似合った。
「赤いのんもええけどな」
「ううん、こっちのがええ!」
 どうやら気に入ってくれたらしく、嬉しそうに土間の上を行ったり来たりする。
「麦藁もあるんやで」
 こちらも真新しい麦藁帽子を出してやると、恐る恐る手を出して受け取った。
「なんや怖いわ……」
 『嬉しい』ではなく『怖い』と言う子供が不憫で愛しい。持ったままでいる麦藁帽子を小さな頭に載せてやると、戸惑ったような笑みを浮かべた。
「大丈夫や、体で返して貰うでな」
 気にしないようにわざと冗談を言うと、嬉しそうにニカッと笑う。
「頑張って働くわ」
 思わず真面目に返されて、そんなに高い買い物ではなかっただけに、ちょっとだけ良心の呵責を覚えた。
 

 今は夏野菜なので、特に種類も量も多い。昨夜の家族会議で決まった通りに二人でナスのハウスに向かった。
「ウチは貧乏やけど、一冊だけ絵本があってな」
 一度手本を見せてやると、口を動かしながらも上手に収穫バサミを使ってパチンパチンと食べ頃のナスをもいでいく。やはりこの子供は頭がいいというか、『勘』がいい。
「可哀相なお姫様を王子様が迎えに来るやつで、妹にせがまれて何度も読んでやったんやけど……」
 またクシモト家の様子が垣間見えて、手を動かしながら耳を傾ける。 
「ほしたら、いつの間にか自分も王子様が迎えに来てくれるような気になってもぉて……」
 パチン。
 ナスをもぐ手が思わず止まる。
「兄ちゃんがおっきい兄ちゃんを家に連れて来た時、思わず『王子様や!』って思たんや」
「……ほうか」
 いつの間にか恋バナを聞かされていたことに気付き、内心で溜息が漏れた。
「だってそうやろ? あんにカッコ良くて優しぃて飴とかお土産とかポンて買ぉてくれて」
 確かにサカトクは顔もスタイルもモデル並に良いし、行く行くは社長だ。しがない公僕とでは比べるまでもないと自嘲気味に思いながら、無言でパチンパチンとナスを枝から切り離していく。
「やけど」
 まだ話は続くらしく、それらを脇にあるコンテナに入れながら、再びこっそりと溜息をつく。
「おっきい兄ちゃんは兄ちゃんの王子様やった。オレんやなかった」
「ほうか……」
 どうやらそのことについてはもう消化済みらしく、ちょっとだけホッとする。
「兄ちゃんのあんに幸せそうな顔見たの、生まれて初めてや」
 枝の隙間から隣の畝をそっと覗くと、目が合ってニコッと笑った。
「兄ちゃんはオレらの為にずっと苦労して来たんやから、幸せになって欲しいし、幸せにならなアカン」
 以前にも言われた言葉だが、今日は声も表情もすっきりしていて、本当にわだかまりは無さそうで安堵する。
「ほうやな」
 母子家庭で、その母親も蒸発したとなると、クシモトはいつから一人で生活を支えてきたのだろうかと考える。小柄で華奢で優しい面立ちをした少年を思い浮かべ、サカトクが自分の家に弟妹ごと呼んだ気持ちが理解出来た。
「オレな」
 パチンパチンとナスをもぎながら、再び子供が口を開く。
「早よぅ大人になりたいんや」
「なしてや」
 そんなに急がなくても、子供でいられる時間はひと時である。
「働きたいからや」
 過ぎた者だけがわかる、その宝物みたいな一瞬を、目の前の子供は要らないと言う。
「本当はすぐにでも働きたいんやけど、バイト出来るんは高校生からなんやて」
 知ってたかと問われて、そうやな、と返す。
「だからオレも工業入ったらバイトして『ジリツ』するんや」
「は?」
 『自立』がどこまでのことを指すのかが測れなくて、思わず枝の間から子供の顔を見る。
「今はまだ『フヨウカゾク』やけど、働けるようになったらすぐにでもジリツせな」
「そんなこと誰かに言われたんか」
 十やそこいらの子供の言葉とは思えなくて問うと、しかつめらしい顔で答える。
「子供はみんな、大人になったら『ジリツ』するんやで」
 学校で習ぅたやろ、と問われて先日の社会見学を思い出す。きっとその時の授業で習ったのだろう。
「社長には恩があるで、自動車の整備士になって兄ちゃんと一緒に働くんがええんやろけど……」
 そして真面目腐った顔でそう言うと、枝の間からこちらを見る。summertime09.png


「こういう仕事もええよね」
 別に社長は恩義とか恩返しとかそんなことなど微塵も考えていないだろうと思ったが、ニコと微笑まれて言うタイミングを逸した。
「農家は大変やで」
 何が大変て、天候に左右されることも設備に金が掛かることもそうだが、何より大変なのは後継者問題である。いくら機械化で昔より楽になったとは言え、やはり肉体労働だし、特に我が家のような『三ちゃん農業』は敬遠される。思わず大きな溜息をつくと、パチンパチンと再び軽快な音をさせながら子供が答える。
「ほやけど、毎日こうやってヤマと話しながら仕事出来たら楽しぃやんか」


 不意に予想外のことを言われて、思わず手が止まる。
「楽しいか」
 再びハサミを動かしながら問うと、楽しいッ、と元気な声が返って来る。
「ほうか、楽しいか」
 思わず知らず口元が綻ぶ。地味な家業を楽しいと言って貰えるのは単純に嬉しい。
「お前が女の子やったらなあ。嫁に貰うんやけどなあ」
 そう冗談を言って笑うと、驚いたように目を丸くして見返された。


 収穫した野菜を農協に持ち込めば午前中の仕事は終わりである。
「ほれ、『大判焼き』売っとったで」
 軽トラの助手席で大人しく待っていた子供の膝に紙袋を載せると、その顔がパッと笑顔になった。
「大判焼きって何? 食ぅの初めてや」
 嬉しそうに袋の中を覗き込むのへ、中は餡子とクリームや言ぅてたな、と答える。すると、ホカホカのそれをひとつ掴んで取り出した子供が、手の中の大判焼をじっと見つめながらポツリと言った。
「ヤマは優しいやんな……カノジョとかおらんの?」
「今はおらんなあ」
 エンジンをかけながらのんびりした口調で答えると、前はおったんかッ、と驚かれる。
「そりゃあなぁ」
 この年まで生きていれば、カノジョの一人や二人くらいはいる。
「サカトクみたいなハンサムやのぉても、背が高いだけでもモテる時期があるんや」
 一人目は高二の時で公園デート三回でフラれ、二人目は市役所に就職してすぐで家が農家とわかった途端に逃げられてしまったが、そこのところは黙っておく。
「そうやよね……」
 すると、隣の子供がポソリと答える。
「ヤマは背も高いし、力持ちやし、優しいし、世話好きやし、長靴とか麦藁とか大判焼きとかポンて買ぉてくれて……」
 なんだか不当に褒められて、耳慣れない言葉に首の後ろがむず痒くなる。
「しかも、公務員や……」
「それはないな」
 いくら安定職でも、兼業農家の長男ではマイナスポイントの方が高い。
「オレも女の子やったらえかったわ……」
 思わぬ言葉に、え、と思って隣を見る。しかし、無意識に爆弾を落とした子供は今川焼きを食べるのに夢中で、真意を聞くことは出来なかった。

 早起きと慣れない作業で疲れたのだろう。風呂に入れて昼食を食べさせると子供はすぐに眠ってしまった。
「それにしても軽いな」
 とりあえず自室のベッドに運んで寝かせ、腹の上にタオルケットをかけてやる。あどけない寝顔もクシモト兄によく似ていて、きっとクラスでも女の子たちに人気があるだろうと思えた。
 『オレも女の子やったらえかったわ……』
 先程の言葉は、先に自分が言った言葉に掛かるのだろうかと考える。
 『お前が女の子やったらなあ。嫁に貰うんやけどなあ』
 十も年下の、しかもまだ小学生の子供の言葉に心騒がせている自分がいて自嘲する。
「これじゃ、ほんまに変態やないか……」
 たとえ女の子だとしても、小学五年生と恋愛なんてあり得ない。
「捕まるわ……」
 うっかり手でも出せば翌朝の新聞に載るのは必至である。
「あと何年や……?」
 可愛い寝顔を眺めながら、嫁に貰える年になるまでの年数をヒィフゥミィと頭の中で数え掛け、自分の馬鹿さ加減に思わずヘコんだ。


 陸稲(おかぼ)も少しだけあるので午後は稲の様子を見て回る。こちらは農協に出すのではなく、自宅や親戚で食べる分で、もちろんサカトクの家にも毎年届けていた。
「ヤマー!」
 そろそろ三時かと思っていると、昼寝から醒めたらしい子供が手に持ったビニール袋を振り回しながら走って来る。
「なんで置いてったんや!」
 どうやら寝かせたまま出て来たのを怒っているらしい。走って来た勢いのままジャンプすると、四肢を広げてガシッと胸元に飛び付いて来た。俺はト○ロか。
「今朝は早かったで、疲れたやろ思てな」
 落ちないように小さな尻を両手で支えて抱っこしてやると、両手を離して持っていた袋をガサガサと開ける。何持って来てくれたんや、と言いながら中を覗き込むと、よく冷えたジュースと菓子が入っていた。
「夕飯は焼肉やて! 今日も泊まってってええやろッ?」
 満面の笑みで問われて、それはええけどな、と返す。
「兄ちゃんが心配するんやないか?」
 昨夜の心配そうな顔を思い出して問うと、即答で、ないないッ、と声高に答える。
「妹もゆうべからおばやんとこ泊まっとるし、おっきい兄ちゃんと二人きりでラブラブや」
「ほ、ほうか……」
 二人が抱き合っているシーンを実際に見ているだけに、『ラブラブ』という単語が何となく生々しい。
「この畑もヤマんちのなん?」
 小さな体をひとまず下に降ろすと、目の前の陸稲の列を見渡してちょっと驚いたように問う。
「ほうや。サカトクんちで食ったメシも、この陸稲の米や」
「凄いなー」
 本当に感心しているらしく、目を見開いて青々とした稲の列を眺める。
「米も野菜もようさんあって、ヤマんちは天国やね」
 いつもお腹いっぱいで、という羨ましげな言葉に、こんな小さな子供でも飢えたことがあるのだろうかと考える。確かに高校生のバイト代だけでは三人で食べていくだけでギリギリだったに違いない。
「ええなぁ、ヤマんちの子に生まれたかったわ」
 真面目な顔で呟くように言われて、思わず隣の子供を見下ろす。
「うちの子になるか?」
 するっと言葉が出て来て、その言葉に自分で驚く。犬猫ではないのだ。そう簡単にあげたり貰ったり出来るものではない。それは子供でも分かっているのか、ちょっとだけ驚いたような顔をしたが、すぐにニカッと笑った。
「おおきに」
 ジョークだと思ったのか、軽い口調で礼を言われる。その明るさに胸の辺りがズシッと痛んだ。
 

「スケッチブックッ?」
「ほうや」
 夕食後に部屋に戻り、一冊のスケッチブックを目の前に差し出す。とは言っても新品ではなく、高校時代の使い残しだ。選択授業が美術だったので購入させられたのだが、週二時間な上に前期だけだったので2、3枚しか使わなかったのだ。もちろん、自分のヘタクソな絵は永久抹消した。
「……くれるん?」
 恐る恐るといった風に問われて、『お古』やけどな、と答える。ホイ、と言って小さく振ると、おずおずと手を伸ばして掴んだ。
「絵の具もあるんやで」
 これもスケッチブックと一緒に購入させられたもので、水彩絵具と油絵具が一揃いある。絵の具が乾いとらんとええんやけど、と言うと、その言葉にブンブンと勢いよく首を横に振った。
「むっちゃ嬉しい! おおきに!」
 スケッチブックには紐が付いており、首から袈裟懸けにして腹の辺りで固定すれば野外でもスケッチ出来るようになっている。
「もうすぐ夏休みやで、それに好きなだけ描いたらええ」
 こんな使い古しのスケッチブックでそんなに喜んで貰えるとは思っていなかったので、かえってバツが悪くなる。無ぉなったらまた買ぉたるし、と付け足すと、嬉しそうにスケッチブックの表紙を撫でていた笑顔が少しだけ曇った。
「嬉し過ぎて怖いわ……」
 朝と同じことを言われて、他人からの好意に慣れていない子供が不憫になる。
「毎日手伝ぅてもろとるでな」
 バイト代がわりや、と言いながら頭をガシガシ撫でると、顔をクシャクシャにして笑う。思わず泣かれるのかと思い、もの凄く焦った。



 次の日からクシモト弟は一人で畑に来ては絵を描いているようになった。
「よう。精が出るな」
「おかえり」
 被写体は主に畑の野菜で、たまに用水路の中で見つけたらしいアメリカザリガニやタニシがそこに加わる。
「そのまま描いててもええで」
「ええんや」
 絵を描いている途中でも畑の手伝いは欠かさない。『バイト代がわり』と言ったのを気にしているのかもしれない。
「明日から夏休みなんや」
 金曜日なのは認識していたが、そういえばそんな時期かと思い至る。
「ほんでな」
 月曜日が祝日なので、市役所も三連休である。
「ずっと泊まってってもええ?」
「別にええけど」
 連休とは言っても畑仕事は休み無しなので、結局は仕事以上に疲れるのだがと思いながら答えると、チロリと伺うようにこちらを見上げた。
「『ずっと』やで?」
「え……『ずっと』?」
 『ずっと』とは、もしかしたら『夏休み中ずっと』だろうかと思いながらその顔を見下ろすと、嬉しそうにニカッと笑う。
「ヤマが仕事の間はおじやんとおばやんの仕事手伝うし、なあええやろ?」
「……もしかして、家に居づらいんか?」
 ちょっと心配になって問うと、首を横に振って、ちゃうよ、と答える。
「社長もおばやんもええ人や。良ぅしてもろとるよ」
「ほなら……」
 どうせ手伝うなら他人ではなくサカトクの家の手伝いをしたらどうかと言おうとして、口を閉じる。小学校が夏休みに入ったということは、兄たちも家にいるということである。つまり。
「ハネムーン期間に突入か……確かに居づらいわな」
 溜息混じりに呟いたが聞こえなかったらしく、なあええやろ、とつぶらな瞳で見上げてくる。気持ちもわからないではないので、再び溜息をついて頷いた。
「兄貴に了解を貰てくるんやで」
「やったー!」
 無邪気にバンザイをするのを、苦笑混じりに見下ろす。しかし、その顔はすぐに泣き顔に変わった。

「あかん」
「やや……」
「あかん」
「やや……」
「あかんったらあかん」
「やや……」
 兄の了承を貰いに行ったきりなかなか戻って来ないので様子を見に行くと、明かりの消えた事務所の戸口で兄弟が静かに押し問答をしている。
「ヤマさんにも迷惑やろ」
「ええって言ぅた……」
 こちらに背中を向けている子供はずっと俯いたままで、たぶん何度も繰り返されたのであろうその言葉に兄が大きな溜息をつく。その視線が、すぐに気付いてこちらを向いた。
「遅いで心配したで」
 頭の上に手を載せながら声をかけると、俯いていた子供がパッと振り向いてこちらを見上げる。そのでっかい両目から涙がポロッと零れたのを見て思わずギョッとしていると、無言でガバッと腹に抱き付かれた。
「ちょっと兄ちゃんと話あるで、先に家に行っとき。今日はカレーや言ぅてたで」
 ポンポンと頭を撫でながら言うと、コクンと頷き、逃げるようにして家の方へと走って行く。それを黙って見送ってから、おもむろにクシモトを振り返った。
「ご迷惑をお掛けしてすみません……」
 申し訳なさそうに頭を下げるのへ、別に迷惑やないよ、と答える。
「やで、アレがウチに来ることで何か不都合が生じるんやったら……」
 俺から諦めさせるで、と言うと、その瞳が小さく揺れた。そうなのだ。本来ならばあの子が懐かなければならないのはサカトクの両親たちで、自分はそれを邪魔する形になってしまっている。
「初めてなんです……」
 すると、少ししてクシモトがポツリと言う。
「弟が僕の言うことに『いやや』て言ぅたの、初めてなんです」
 素直だった弟が初めて反抗したのだと言われて返す言葉に困る。
「弟は本当に聞き分けが良くて、友達と遊びたい日もあるやろに、妹がおるから毎日まっすぐ帰って来て、留守番しててなぁて言ぅても、妹の面倒見ててなぁて言ぅても、二つ返事で『わかったー』て言ぅんです。やから……」
 クシモトはそう言うと、ペコリと頭を下げた。
「ありがとうございます」
 弟が反抗したことに礼を言われて、ますます返す言葉に困る。
「あんに小さい子が我侭も言わんと聞き分けええのんは本当は凄く不自然なことやとわかってたんに、僕はそれに甘えとったんです……」
 親にとっての『良い子』とは、『都合の良い子』だと誰かが言っていたのを思い出す。
「やから、実は、凄く困っとるのに凄く嬉しいんです」
 親の身勝手が元とはいえ、幼い弟に妹の面倒を任せきりにしてしまったことに、そして、そのことで弟を子供らしくない子供にしてしまったのではないかと思いに密かに心を痛めていたのかもしれない。そう言ったクシモトの顔は本当にホッとしたようで、嬉しそうに見えた。


 とりあえず連休中だけ預かることにして家に戻る。居間に行くと、先程まで泣きべそをかいていた子供は祖父母や両親と一緒に賑やかにお喋りしながらカレーライスに舌鼓を打っていた。
「あッ、おかえり!」
 入って行くと、途端に破顔して嬉しそうに声を張り上げる。隣に腰を下ろすと、心配そうに顔を見上げながら声をひそめた。
「兄ちゃん、怒っとった?」
「そうでもない」
 目の前に出された皿に視線を向けながら答える。今日のカレーに入っている野菜は全てウチで採れたものだが、肉はサカトクのお袋さんからの差し入れだろう。
「お前、連休が終わったら、とりあえず家に帰れ」
「えーッ、やや!」
 途端に口を尖らせて膨れた顔をする。親の言うことにとりあえず反対するのも反抗期の著しい特徴である。
「お前の家はサカトクんちで、おじやんとおばやんは家族や。心配させたらあかん」
 すぐに懐いた妹と違い、なかなか家に居つかない弟を心配しているに違いない。
「オレはいいんや! ヤマんちの子になるんやから」
 シレッとした顔で言われて、予想外の言葉に思わずあんぐりと口が開く。
「ヤマが言ぅたんやないか。ウチの子になるかぁ、て」
「あれまあ」
「養子に貰うんかい」
 途端にじいばあが口を揃えて言い。
「そりゃいいねえ。家の中が明るくなるわ」
「ここんちの子になれば食いっぱぐれはないぞ」
 母親と親父までがノリノリで言い出したので、腕を一振りして一斉に黙らせた。
「とにかく、三連休の最終日には家に帰れ。話はそれからや」
「ややッ」
 言うと同時にガチャンとスプーンを卓上に叩き付けるようにして置き、ダダッと居間を走り出て行く。外に飛び出して行くのかと思って慌てたが、足音はまっすぐ階段を駆け上って行った。
「何も今言わんでもええやろに……」
 母親が非難がましい目で言いながら、三角に切ったスイカの載った皿を目の前に差し出す。それを黙って受け取ると、自分も二階へと上がった。 

「バカヤマ、アホヤマ、クソヤマのウンコッたれ……」
 だからそんに可愛い顔でウンコとか、どんなプレイやて。
「ほれ、冷たいうちに食いない」summertime05.png
 キングサイズのベッドの上に俯せに体を投げ出している子供に歩み寄り、目の前に皿を差し出す。ふて腐れている子供は顔を上げてチラとそれを見やると、のそのそと起き上がった。やはり大好物には弱いらしい。
「……ヤマもここに座ってや」
 ポンポンと目の前のシーツを叩かれ、はいはい、と答えながら膝を突いてベッドの上に這い上がる。指定された場所に胡坐をかいて座ると、その膝の間にちゃっかりと腰を下ろして寄りかかって来た。
「ちゃんと皿持っとってな。この位置やで」
「はいはい」
 胸の辺りで皿を支えてやると、ようやくスイカを掴んで食べ始める。美味いかと問うと、口いっぱいにスイカを頬張ったまま、大きくコクンと頷いた。
「あのな」
 頃合いを見計らい、さてどうやって話したものかと思案しながら話しかける。
「犬猫の子供はすぐにあげたり貰たり出来よるけど、人間の子供はそうはいかん。それはわかるな?」
 返事をするのを待っていると、少ししてコクンと小さく頷く。よしよし。
「人間の子供を引き取る時には覚悟がいる。サカトクのおじやんとおばやんは兄ちゃんの面倒を見るて決めた時に、弟と妹も自分の家族として面倒みるて決めたんや。やから、本当の親やと思って甘えていいし、向こうも甘えて欲しいと思とると思う」
 子供は答えない。でも、じっと聞いて考えている。大丈夫、この子は聡い子だ。
「やから、俺もおじやんとおばやんの気持ちを尊重したいと思う」
 食べかけのスイカを持ったままの、細い肩が小さく震える。
「七年や」


 皿を支える手の上に、生ぬるい雫がポトポトと落ちる。 
「高校を卒業して就職する年になったら、そん時は自分で決めたらええ」
 黙って涙を流す子供を片手で抱き寄せ、耳元で言う。
「自動車の整備士になりたいんやったらサカトクんちに就職すればええし、農業がしたいんやったら自分とこで働けばええ」
「ヤマんちの……子に……なりたい時は?」
 か細い声でしゃくりあげながら問われて、身内から何かがブワッと溢れそうになる。
「そん時は俺が頭下げて貰いに行くで、安心して待っとれ」
「わかった……待っとる……絶対来てな?」
「ああ、絶対行く」
「約束やで?」
「約束や」
 それから十何年振りかで『指きりゲンマン』をさせられ、子供はそれで安心したのか、それとも泣き疲れたのか、カクンと頭を下げたと思ったら寝てしまった。その体をベッドの上に横たえ、腹の上にタオルケットを掛けてやりながら、この子供の七年後を思う。今のクシモトと同じ年になるまでには色々な人と出会い、様々な経験をし、たくさんのことを考えるだろう。もしかしたらカノジョが出来て卒業と同時に結婚、なんて未来もあるかもしれない。
「それはそれで切ないな……」
 自分が『過去』になることは、仕方ないことでもやはり寂しい。
「七年か……」
 自分で言ったことなのに、果てしなくて溜息が出た。


 夏休みになるとクシモト弟はぱったりと顔を見せなくなり、土日にも泊まりに来なくなった。
「寂しいねえ」
 今日も泊まりに来ないと聞いて、母親が真新しい茶碗を食器棚にしまいながら溜息混じりに言う。先週末は海水浴で、今週末はキャンプ、来週末は他県の花火大会で、その次の週も他県の七夕祭りを観に行くとのことだった。
「楽しそうなんやから、えやないか」
 子供の中で何かが吹っ切れたのか、それともサカトクの親父さんの陰謀……もとい作戦なのかはわからないが、毎週のように家族で親睦を深めている。
「そやけどねぇ」
 夏休みになったら毎日のように遊びに来るだろうと思っていたらしい祖父母と両親はがっかりだったようで、ゴチャゴチャ言わんと早ぉ貰っちゃえば良かったんよ、と文句を言われた。養子云々の軽口も結構本気だったと知り、ちょっとだけ驚く。とは言え夏場の農家は大忙しで、一抹の寂しさや空虚さはその中に忙殺されていく。不意に込み上げる焦燥感や飢餓感も、見ないようにすれば心の片隅をスイと撫でるだけで通り過ぎて行った。


「展示の手伝いですか。いいっすよ」
 夏休みが終わると、市内の小中学生の絵や工作物が集まってくる。展示会準備の手伝いに駆り出されるのは、いつも若手と決まっていた。
 展示場となる大広間は既にたくさんのパーテーションで仕切られ、そこに皆で手分けして学校別に絵を貼っていく。人手は多いが女性や年輩者が多いので、脚立に上らなければならないような高い場所を率先して引き受けた。
「背の高い人がおってくれて助かるわぁ」
 年配の女性のお世辞に、バカと何とかは高いとこが好きやからね、と冗談で返す。
「ヤマくん長男やったよねぇ。ええ人はおらんの」
 そして、年配の女性は総じて世話好きである。
「ええ人はおらんのですけどね」
 絵を貼りつけた模造紙の四隅をパーテンションに画鋲で留めながら答える。
「好きな人はおります」
「あらそうなん」
 途端に女性がニコニコ顔になる。誰もいないのなら世話してやらねばと思ったのが、不要と知って安心したのだろう。危ない、危ない。
「同級生とか? それとも、ここの人?」
 まだ放免にはならないらしく、片想いの相手を聞かれて内心で苦笑する。
「ここやないです」
 次のパーテーション前に脚立を移動し、再び上って女性から絵を受け取る。
「今の若い人は奥手やからねぇ」
 ガンガンいかなダメよ、と言われて、情けない気持ちで、はぁ、と答える。そこへ運よく誰かが女性を呼びに来て、ようやく放免となった。

「ふぅ……」
 とりあえず割り当て分を貼り終えたので、すっかり様変わりした展示場内を見渡す。そういえばクシモト弟妹の絵もあるのを思い出し、パーテーションの間を歩いた。
「お」
 すぐにクシモト妹の絵を見つけ、思わず笑む。それはあの花火の絵だった。かなり怖がっていたようだったので心配したが、少しは楽しんでくれたらしい。
「どれ」
 次にクシモト弟の絵を探す。しかし、弟の絵はどこにも見当たらなかった。
「これで全部ですか」
 近くにいた職員に聞くと、そうだと答える。するとそこへ、別の職員がもう一枚、絵を持ってやって来た。
「これ、そこの真ん中に貼ってくれ」summertime08.png
 そこだけ何も貼られていないパーテーションを指差して言われ、再び脚立に上ってその絵を受け取る。
「これでええですかね」
 左上だけ先に留めて、高さを調整してから残り三か所も留める。脚立を下りながら改めてその絵を観た瞬間、思わずハッとして足が止まった。
「知事賞やて」
「へえ?」
「うちから知事賞が出るなんて凄い快挙やなぁ」
 同僚の会話を意識の外に聞きながら、脚立から降りることも忘れてその絵に見入る。そこには、目の高さよりも伸びた青々とした陸稲の列が青空の果てまで続いていた。その陸稲の列の真ん中で白いTシャツ姿の男が一人、手に持った麦藁帽子を頭上高くに掲げている。男も麦藁帽子を被っているので、持ち主に向かって振っているのだろう。
「まさか……」
 慌てて作者の名前を確認しようとして、その下に書かれているタイトルに思わず脚立から落ちそうになる。


 『なぁ、それってプロポーズなん?』

「プロポーズやて。五年生やよね。ませた子やねえ」
「男の子? 女の子?」
「どっちやろ。名前だけやとわからんよねえ」
 女性陣の会話を聞きながら、全身にドッと汗をかく。と同時に顔がカカカァッと耳まで熱くなった。
 『そん時は俺が頭下げて貰いに行くで、安心して待っとれ』
 ウチの子になりたい時はどうすればいいのかと泣きながら問われ、その時は自分が本気で養子に貰うつもりで答えたのだが、確かに相手が女性であればプロポーズともとれる言葉である。
 『絶対来てな?』
 ついでに縋るように見上げてきた潤んだ瞳を思い出し、ぎゅぎゅーっと胸が苦しくなった。
「すんません!」
 思わず脚立から飛び降り、廊下を走って事務室に急ぐ。
「すんません! 先日のあれってまだ間に合いますかッ?」
 息を乱しながら上司に問うと、なぜかニヤリと笑われた。
「なんや、いよいよ年貢を納める決意でもしたんか」
 からかい雑じりの言葉に、すぐやないんですけど、と答える。高校卒業までには七年ある。
「ほな、気ばって稼がなな」
 農家にとって、食い扶持が増えることはそれほど大変なことではない。だが、クシモト弟には『その先』があった。もし本人が望むのなら大学にも行かせてやりたいし、絵を続けたいならその先の道も探してやりたいと思う。それにはまず、稼がねばならなかった。
「安心せい。ウチにはもうお前しかおらんでな」
 勝手に申し込んどいた、とニカッと笑いながら言われて、思わずカクッと膝から力が抜ける。だが、いつもながらの上司のワンマンさも、今日ばかりはありがたかった。


 今日は金曜日なので、定時でさっさと切り上げて帰る。気が逸りながらも、途中でケーキを買うことは忘れなかった。ようやく長い夏休みが終わって通常の週末が戻ってきたのである。洋菓子屋の箱を開けた瞬間の子供の顔を思い浮かべながら敷地に車を乗り入れると、玄関前にしゃがみ込んでいた子供がパッと嬉しそうに立ち上がった。
「ヤマ!」
 ひと月振りに見る子供の笑顔に、身内からいろいろなものが溢れそうになる。色白だった子供は顔も手足もすっかり日に焼けて小麦色になっていた。
「土産があるで」
 白い箱を掲げて見せるが、それには目もくれずに飛び付いてくる。そして腹に抱き付くと、胸元で大きく息を吸い込んだ。
「ヤマの匂いや……」
「汗臭いやろ」
 やんわりと離そうとするが、首を横に振ってしがみ付かれる。
「クサないよ。ホッとする匂いや」
「ほうか」
 くすぐったくて、いたたまれなくなる。自分もお日様の匂いのする子供を両腕で力いっぱい抱き締めたかったが、かろうじて自制した。
「絵ェ観たで。凄いな、知事賞やて?」
「観たん?」
 気を取り直して褒めると、照れ臭そうに言いながらチロと上目使いに見上げてくる。そして、ちょお屈んでや、と言うと、言われるままに屈んだ自分の唇にチュッと音を立てて口付けた。
「えッ、うえッ??」
 狼狽える大人を尻目に、子供はいたって平静な口調で、視線だけ少し逸らして、あれ、OKやでな、と言う。
「あ、『あれ』?」
 意味がわからずに問い返すと、ムッとしたように唇を尖らせて、プロポーズや、と答えた。
「オレ、兄ちゃんよりも絶対に美人になるで」
 楽しみに待っとってな、と不遜に言う子供の頬が見る間に赤くなっていく。いつもは生意気な子供が照れている姿は殺人的に可愛くて、思わず理性が飛びそうになった。summertime06.png
「あかん……」
 咄嗟に抱き締めそうになった腕を、寸でのところでグギギギッと引き離す。
「執行猶予七年や……」
「なん?」
 子供の問いかけに、なんも、と答え、しちねん、しちねん、と呪文のように口中で繰り返す。
「男と男の約束やでな」
 そんな大人の葛藤など知らない子供は、無邪気な口調でそう言って全身でしなだれかかってくる。
「七年や……」
 腹にしがみ付いて離れない子供の甘い体臭にクラクラしながら、果てしなくて涙が出た。





 


※こころよく二次作品を書かせてくださいましたオカマツ様に、敬意と愛をこめてvvv / H27年8月

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